小型ロボット用途で用いられるLi-Fe(リチウムフェライトバッテリー)を,僕が知っている範囲でまとめてみます.

リチウムイオン電池には,電極や電解質の種類によって様々な種類があります.
Li-Fe(リチウムフェライトバッテリー)という名前は,これらリチウムイオン電池のうち,正極にリン酸鉄リチウムを用いるものを示す名称です.リチウムイオン電池の中でも,熱化学的特性上「安全である」とされており[1],競技ロボット用の電池としてよく用いられています.
参考[1]:“高安全な大型リチウムイオン電池の開発と今後の展望” 杉山 秀幸 エリーパワー株式会社 技術開発部 (2016年8月閲覧)

※販売先URLは記事を書いた当時のものです
※使用感は個人の感想です

新しく見つけたバッテリーがあれば追加していきます。
2015年11月:RC DEPOT 追加
2016年8月:セイキ ダイレクトストアー 追加
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自分の知っている中で、有名な方からまとめていきます。

(1)タミヤ レーシングパック LF1100 
かわロボなどで定番のバッテリーです。セルがハードケース(缶)で保護されているのが特徴です。
1600mAhのモデル2200mAhのモデルもあります、RCJには少し大きすぎるかもしれません。

(2)イーグル模型 EA900 9.9V 
サバイバルゲームで使う”電動ガン”向けのバッテリーです。3セルのLi-Feはそう多くないですが、このバッテリーはその中の一つです。電動ガン用途で開発されており、放電容量もそこそこ確保できるのでロボット用途でも充分使えると思います。
メーカーサイトを見ると、900mAhの他にも2200mAhのものがラインナップされているようです。 

(3)Hyperion G3 LiFePO4 Seriese
自分は2足歩行ロボット用途に使ったことがあります、放電レートが5Cなので注意。
放電容量を守れば、比較的長持ちしますし、バッテリー切れの検知もしやすく、使いやすいです。
日本だとVstoneのロボットショップで購入が出来ます。
850mAh1450mAh1700mAhのモデルがラインナップされています。
他のサイトで購入する方は”送信機用”を買わないように注意してください。送信機(プロポ)用のバッテリーは、大電流を想定していませんので、思わぬ事故に繋がりかねません。

(4)ROBOパワーセル F3-1450タイプ 
リンクの1450mAh以外にも850mAhの2セル/3セルや、2100mAhの3セルが売っています。 
2足歩行ロボット用のオプションパーツとして、最近登場しました。かわロボ用途で使ってみた方も居るみたいです。
Vstoneロボットショップで1450mAhの2セル、他にも1450mAh-3cellと850mAhの2cell/3cellが売っていました。ロボット用途だと3セル9.9Vはちょうどいい電圧なので、RCJ用途もアリなんじゃないでしょうか。

(5)Hobby King (海外サイト) 
海外通販が出来るのであれば、安価に多様なバッテリーを入手するには有利です。HobbyKingはラジコンやドローン向けのバッテリーを数多く揃えています。その中には、ロボット用途に最適なバッテリーも少なくありません。自分がLi-Poバッテリーを購入するときは、ここのサイトで、安心できるブランド製品を買っています。

ここで販売されている”LiFePO4”は、いくつか種類があります。
・Turnigy nano-tech
Turnigyは自分も信頼を置いているラジコンメーカーです。LiPoやサーボモーターはここのブランドを好んで購入しています。Li-Feも豊富な種類があります。
・ZIPPY Flightmax
ZIPPYは日本だとかわロボで使っている人がとても多いです。製造時期によって大きく性能が異なるのが難点ですが、安定しているものは概ね安定していますし、何よりも安価です。飛行機用途なので、軽量に作られいている反面、安全性には若干難ありです。
A123 Systems cell
リフェバッテリーの製造メーカーとして有名なA123システムズ社のリフェバッテリーを、セル単位で購入する事ができます。18650モデルも販売されており、今だとネットで探せば入手可能です。
セル単位で購入してバッテリーを自作する人も居ます。自分も作ったことがありますが、高出力のはんだこてと、気持ち的な勢いがあればなんとかやってのけれます。

(6)送信機用リフェバッテリー
KK Hobbyさんのリンクを貼らせて頂きます。これらは、ラジコンを操縦するための無線送信機(プロポ)用のバッテリーです。受信機用バッテリーと違い、モーターを回したりする用途には設計されていないため、出力ケーブルも細いです。これをそのままロボットに搭載するのは、例えばマイコン専用の電源に使う場合などに限られると思います。
自分でパックを開けてパワーケーブルを替えれば本来のパフォーマンスを出せる様ですので、それが出来れば問題ないのですが、危険なのでやめたほうがいいでしょう。

(7)企業にオリジナルのバッテリーを特注
自分が知っているのは、例えばウィングスさんなどです。特注で必要なスペックのリフェバッテリーを用意するのもひとつの手かもしれません。ただ、よほどの特殊用途でなければ必要になりませんから、1人で持ち運べるサイズのロボットであれば必要ないかもしれません。

(8)RC DEPOT
Dee-Forc シリーズ
上のほう、それなりにパワーケーブルも太くて良さそうなバッテリです。 

(9)セイキ ダイレクトストアー
ロボット用リチウムフェライトバッテリー シリーズ
小型ロボット用に開発されたバッテリーだそうです.このシリーズの特徴として,Length(長さ)及びWidth(幅)のサイズがシリーズ内で共通化されている点です.セル数や容量によってHight(高さ)のみが変化するようになっています.状況としてはあまり好ましくは無いですが,容量・電圧の仕様変更がされた場合に,比較的簡単に変更ができそうです.