コメントにて
ロボットの勉強どうされていますか,という質問を頂いたので答えようとしたら,文字数制限に引っかかるくらい長い文章になってしまったので記事にします.
僕が本格的にロボットを始めるきっかけとなったのは,ホビーの二足歩行ロボット競技ROBO-ONEに参加している方々の集まりに参加したのがきっかけでした.今でも関東や関西,九州で「ホビーロボット練習会」という名前で開催されています.
そこでは,大人の方がメインで,作ったロボットを持ち寄っては見せあって交流する場所でした.自分も小さい頃から作ったものを持っていっては,周りの大人の方(プロの技術者やホビー歴が長い人が多い)に意見を頂いて,いろいろな情報を仕入れていました.
勉強にはインプットとアウトプットがありますが,インプットの方は,本を読んだり,今だとインターネットを上手く使えばかなり沢山の情報が手に入ります.しかしアウトプットの方は,実際に自分で手を動かして何かを作ってみるしか学ぶ方法がありません.ただ,プログラムの勉強でしたら,PCと本かネットだけで両方できてしまいますが,ロボットのハードウェア(メカや回路)をアウトプット勉強するためには,材料を用意するだけでそれなりにお金がかかります.
僕の場合は,勉強のうちインプットの方は,ロボット練習会に参加することで満足していましたが.それに加えて,ひたすら手を動かしてモノを作ってアウトプットしていたのが大きかったと思います.それなりにお金もかかったはずなのですが,うちの両親は「キミのやりたい事に投資する」と言ってお金を出してくれました.とても感謝しています.
実は,僕がプログラムを勉強し始めたのは,高専に入ってRCJを始めてからでした.プログラムを初めて一年足らずで日本1位を取った事になりますが,そこでも,アウトプットに慣れていた事が大きく効いてきたのではと自分では考察しています.とにかく分からなくても手を動かしてみて,わからない事があったら必要に応じてインプットを重ねていく方法です.
因みにですが
たまに当ブログに現れる,日本優勝時代の相方であるKpも,同じ「ひたすら手を動かして分からなければ本を読む」スタイルだと聞いています.彼は,僕がハードウェアでやっていた同じことをソフトウェアでやっていた人です.彼曰く「ハードはモノ作る度にお金かかって大変,ソフトはPCさえあればいくらでもモノ作れるし本買うくらいしかお金かからない」だそうです(笑).僕もそう思います,ハードはお金かかる…
で,僕にも苦手なことは当然あります.
ロボカップジュニアは,ハードウェアとソフトウェア,両方の知識が必要とされており,タスクマネジメントとチームマネジメントの能力も必要になる競技です.RCJにおいては,スケジュールとチームの管理は,ロボットの技術の勉強以上に重要で,かつ身につけるのが難しいです.
事実,今年の僕のように,どんなに高い技術レベルでモノを作っていても,スケジューリングを間違えて全く結果が残せない事はよくあります.
以上まとめると
僕は,ロボットの勉強についてはまず手を動かしてみる事をお勧めしたいです.少しお金がかかっても,相談しながら(資金交渉やプレゼンも大事な作業)実際にモノを作るのが勉強になると思います.
学校の勉強は,基本的に黒板見てノートに移して覚える,インプットがメインのものばかりです.アウトプットはテスト前問題解く作業くらいでしょうか.アウトプットがメインの勉強は非常に機会が少ないと思いますので,ぜひロボットをその機会にしてみてはどうでしょうか.
以上,ロボットの勉強についてでした
2017/4/8 追記
あの伝説のロボカッパーであるOkada(@OkadaTechnology)さまより
「これも書き加えなさい」とのお言葉を頂きましたのでご紹介させて頂きます.
勉強も手を動かさないと覚えれないし(書いて覚える派の人)そしてたくさん問題解かないと理解しないのも事実なのでやっぱ勉強とは手を動かすものだと思ってる
— 香風オカダ (@OkadaTechnology) 2017年4月8日
ここからは質問とは関係ない話です.
ここまで「勉強」と書いておきながら,当方学校の勉強についてはだいぶ悲惨であります.
ロボットに夢中になって学業を疎かにするのも,学生であれば自己責任な訳ですが…
学校に行っている間というのは,当然ながらお金がかかっていて,1日あたり幾らだか分かりませんが結構なお金がかかっています.
で,お金というのは,人の人生の時間を換算したものであるわけで,そのお金を使って何かを作ったり何処かへ行ったり遊んだりするということは,その人の人生の時間を頂戴して何か作ったり何処か行ったり遊んだりしてる訳です.義務教育であれば日本の国民全員の人生の時間のうち幾らか使わせてもらってる訳ですし,義務教育を終えたら,親の人生の時間のうち幾らか頂戴してる事になります.
こう考えると,親のお金で学校行っている身としては,親が自分の時間割いて自分の人生に投資してくれている訳なので,その分は頑張って応えましょう.つまり学校の勉強はあんまサボっちゃだめです,ということになる気がします.
学業優先で頑張りましょう.
これは昔ある方に言われた言葉でずっと身にしみて覚えているんですが
「学生としてやるべき事やっていないと,他で何やっても説得力ないからね」
という事で「自分は最低限やることやった上でこういう活動してます」くらいは言えないと痛い目見ます.以上グダグダでしたがおまけ話でした.
将来この記事が黒歴史になっていない事を祈ります
コメント
コメント一覧 (3)
ありがとうございました。
製作過程でわからないところがあって行き詰まってる息子を見て、親としても行き詰まってブルーになっていました。
それが解決したわけではないのですが、勉強方法を読んですごく救われました。
ありがとうございます
これからも参考にさせていただきます。
こちらこそありがとうございます.
行き詰まることに関して
競技に参加していると,必要になる技術がかなり細かく限定されてしまいます(例えばボールを見たいとなると,どの波長のどの周波数の赤外線を見る必要があるのかルールでカッチリと決まってしまう).
そうなると,例えば本に書いてあるような「センサーを使ってみよう」みたいな解説は,直接的には役に立たないことが多いです.ゆえに行き詰まってしまう人も多いと聞いています.
そこで,競技をする上で必要な細かい技術に関しては,行き詰まったらまず経験者に相談するのが良いかと個人的には思っています.基礎的な技術に関しては,調べる能力次第で解決できる場合がありますが,競技をする上で必要な技術というものは,経験者に聞かなければわからない話が多いと思います.私も,基礎的な技術に関しては二足歩行ロボットで学んだものを持っていましたが,RCJに参加するのに必要な特殊なスキル(例えば回り込みがどうだとかキッカーがどうだとか)は,実際に自分でやってみるか,経験者に聞くしかありませんでした.その競技でしか必要にならない技術だから,他に文献がないのです.
経験者に相談する機会というものは,なかなかありませんが,最近では私と同じようにブログで情報発信されている参加者の方であったり,各地でオープン大会で交流会が開催されていたりと,参加者同士での技術交流も盛んになってきていると思います.
もちろん自分で手を動かすのも大事ですが,誰かと交流を深めるともっと多くの学びを得られると思います.それがロボカップジュニアの目標でもあります.
ぜひ多くの仲間を作って,交流を深めてください.と,息子さんに伝えてください(笑)
息子はうちとけるまで少々時間がかかるようです。
先輩に質問しても、返ってる答えのなかのワードがわからないと、また、それを質問したりして、、、聞かれるほうも嫌なのでしょう、自分で勉強しろといわれます。
上級者のなかには、
人の意見を聞くのはよくない、自分で考えろという方もいます。
が、例えば、上級者には愚問でも、初心者には、全くわからないこともあるわけです。
なので、どうやって勉強されてきたのですか?という質問になった次第です。
たとえば、本体の材質は何がいいか?コンパスはどれがいいか?その、プログラムの入れ方が今一わからない。上級者からは変数使うと一言言われても、わからない。
それを調べろと言われるのですが、ロボットだけに、時間を費やすこともできない。が、たまの練習会までには作りたい、、、と、まあ、愚痴になりますが。
本人の思いより、親の方が悶々としてるかもしれません(笑)
ところで、うちの会はこちらのチームと深い交流があり、会のみんなはこちらのチームに憧れ尊敬して色々な情報を参考にさせてもらっていることを、つい先日知りました(笑)
いつか息子から質問がいくかもしれませんが、そのときは是非よろしくお願いいたします。