大変ご無沙汰しています。
特に忙しいというわけではないですが,大会への参加を止めると,それに伴う習慣(ブログとか)も一緒に止まってしまうのだなあというのを最近身をもって実感しております。
実に一ヶ月以上が経過してしまいましたがコメントを返します。
キッカケはGcraudのブログです。
一部は既にTwitterのDMに個別で質問頂きました。
申し訳ないのですが,ブログへ残されたコメントは放置されることが多いと思うので,急ぎ(直ぐ回答が欲しい)場合はメッセージかSNSの方から直接聞いて頂けるとすぐにお返事ができます。
自分の知っている中で比較的ドリブラに向いていると思ったのは,タミヤのスポーツチューン370モーターです。高回転タイプであっても,進角方向に使ってやるとかなり高いパワー/サイズ比が出ると思います。逆に低回転で使う場合には,これに取り付けられるギアヘッドは専用品が出ていませんので,自分で考えて取り付ける必要があります。
OG.37 タムテックギア スポーツチューンモーター(SPT)
他には,アウトランナータイプのブラシレスモータを使う方法が良いかもしれません。最近はドローン用などの高トルクで高回転かつ小型のブラシレスモータと駆動用のESC(Electroc Speed Controller)が安価なものまで幅広く入手できます。アウトランナータイプのブラシレスモータは,KV値が低いものを選べば比較的低回転項トルクタイプのモータが手に入るので,一度調べてみると良いかもしれません。
因みにYunit5Xもブラシレスアウタロータタイプのモータとドローン用ESCを使っています。
図面を見ると4[mm]くらいでした。
歴代どれもサイドホイールの直径が10~12[mm]くらいなので,どのサイドホイールも同じくらいの床-ホイール間クリアランスを持っていると思います。たまに,このクリアランスが小さすぎる自作オムニを見ますが,大抵はサイドホイールの直径が小さすぎることが原因で,フレーム側の設計が問題になるケースは少ないような気がします。
しかし,サイドホイールを大きくしすぎると,今度はサイドホイールのスラスト負荷を受ける面が相対的に小さくなりすぎて,サイドホイールが破損しやすくなります。結構難しいです。
自作にチャレンジする人は,何度か作り直してコツを掴んで下さい。
※追記
「サイドホイールとメインホイールの隙間」が何処なのかイマイチよく分からなかったのですが,軸方向のスラスト余裕のことではないかという意見を頂きました。その場合は,正確に測定していないので大雑把ですが,0.1~0.15[mm]くらいだと思います。
雑で申し訳ないです。
ただし,ホビーCNCの切削条件は,仮に加工機の種類が同じであったとしても環境に応じて変更する必要があると思います。組み立て者の技量によっても,加工機の加工性能が全く違ってくるからです。
私の設定している切削条件は,一軒家で防音箱完備状態での切削条件になります。比較的音を大きくしてもOKな条件で設定していますので,機械を露出させている場合などは騒音の問題からNGになる条件である可能性があります。
樹脂でオムニホイールを作ると,比較的ラクに作れますがオープンリーグに耐えるには厳しいです。逆を言えば,ライトウェイトリーグであれば樹脂フレームのオムニホイールでも十分仕様に耐えます。ただしグリップとサイドホイールの軸受はどうしても消耗しますので,上手く考える必要があります。
樹脂切削なら,多少高くても絶対に樹脂用エンドミルの使用を勧めます。
バリの発生量が段違いですし,切削精度も向上します。材料が溶けることもありません。切削条件も高めに設定できるので,価格分は時間でカバーしつつ十分元がとれます。
アルミ切削も同様に,アルミ専用エンドミルの使用をお勧めしますが,ノンコートの汎用エンドミルでも切削は可能です。ただし,鉄用のコーティングがされていたり,角が丸めてあるタイプの鉄鋼エンドミルは,アルミとの相性が最悪ですので使用を避けたほうが良いと思います。
詳しいことは奥が深いので,あまり触れません。
上記も経験則が多く,正確には間違っている箇所等あると思いますがご了承下さい。
IRセンサの足は曲げて伸ばしたりはしていません。IRセンサの遮蔽の板厚を薄くするために,IRセンサの底を基板の表面に密着させる工夫をしています。
TSSP58038のデータシートから引用してきました。
センサの足は,根本で広がって2.54[mm]まで広がるような構造をしているため,これをピッチの穴に通すと0.9[mm]程度,基板の表面から浮き上がってしまいます。これが意外と厄介で,背後からの光漏れなどを起こす原因に成るので,以下のように長穴を使うことでセンサを完全に基板に密着させてあります。
これは別の基板ですが,切削基板と同じ設計になっているのでこちらの写真で説明します。
正直なことを言うと,ここまでマニアックなことを突いてこられるとは思いませんでした。というか,はんだ付けされた写真だけ見ても絶対分からないと思います。変態過ぎます。感動しました。
その代わり重量が2倍になりました。
あと作るのも大変でした。
感想としては,オープンリーグならデュアル位のグリップを持たせたほうが動かしやすいなと思いました。もちろん,モータのトルクに余裕が有ることが前提ですが,ライトウェイトと同じ感覚でマシンに制動を与えることが出来て,非常に気持ちが良かったです。
あとは,外側のホイールが全部砕けたとしても内部のホイールでかろうじて移動ができるので,バックアップの意味でも2相オムニホイールは強いなと思いました。
確かKpくんがここら辺を全部実装してくれていたので,僕はあまり詳しいことを説明できません。
今になってもKpくんのプログラム能力の足元にも及ばないので,ここいらの技術内容をブログを書けないのは,未だに僕のソフトウェア的な技量が追いついていないからです。すみません。
IRセンサの技術はソフトウェア的なリソースが大きいです。
回路は本当にデジタルピン同士繋げて読んでるだけです。ひたすらソフトと計算が重要になってます。
基板加工は当時はCNC切削ですが,今は海外のPCBメーカーさんに外注しています。
そもそも,キッカー以外での電源の昇圧はルールで禁止されているので,できないと思います。
降圧と昇圧を読み間違えていました。すみません。
降圧する必要は無いと思いますが,バッテリの電圧低下によってモータのスピードが変化するのを嫌う場合はあると思います。私はバッテリ電圧を抵抗分圧してマイコンのADCで読み込み,バッテリの電圧に応じてモータスピードを変化させて,バッテリ電圧が低下してもモータの挙動が変わらないような制御をしています。モータにエンコーダ等搭載されている場合は,この制御も必要ないと思います。
電流の議論をするのであれば,バッテリからモータへは可能な限り抵抗の低い導線を使って配線を引き,可能な限りオン抵抗の小さなモータドライバでモータを駆動するようにしています。
このロボットに搭載されているRE16は端子間抵抗が約5[Ω]と非常に小さいため,導線の抵抗成分なども,蓄積していく事でそこそこの電力影響を与えるようになってきます。
要するに,あんまり細い電線でモーターの電源周りを配線しちゃダメだよって事です。
ライトウェイトだと,重量削るためにケーブルを細くしがちですが,あまりやりすぎるとロスが大きくなって,かえってロボットの動きが鈍ります。
が,正直言ってmaxonのようなコアレスモータにVNH5019を使うのはお勧めできません。
ICの構造上,VNHシリーズはLAP(Locked Anti-phase)駆動ができないため,必然的に回転数制動が非常に雑になります。このロボットも,加速特性は電流振り切って雑に回して誤魔化していますが,減速の制動は全く効きません。
計算でロボットを動かそうとすると,計算通りにモータが回ることが前提になるので,それができないドライバを選ばないほうが良いでしょう。
ここらへんの詳細は,世界一位の回路屋の一人(INPUTの回路担当さん)が非常に出来の良い記事を書いて下さっているので,以下の記事を画面に穴が開くまで凝視し続けることを勧めます。
製品開発でこういうものを開発する場合は,治具に取り付けた上で床材を貼った無限回転ローラーなどを走らせて耐久試験を行うようです。
サイドホイールは,シリコンワッシャーをアルミ板で挟む構造をしています。
これの壊れ方としては,
このうち1.と3.は実際に発生していて,試合中に相手のフレームと衝突したりして,過度に負荷がかかった場合にのみ発生しています。通常のロボットの移動中に壊れることはありません。
最終的にこの耐久性能を満たすようになったのは,完全に経験則と勘だけで,トライ・アンド・エラーを繰り返して到着した経緯があります。過去10種類を超えるオムニホイールを製作した集大成です。
このような方法は,コンテストのロボットの開発であれば許されても,製品開発の方法としてはナシだと思いますから,今後はこういった見定めを行うための勉強もしなければいけないとは思っています。
本当は産技祭のこととかについても書きたいです。久しぶりにGcraudの先輩と会って色々話をして,一度「RCJ振り返り」みたいなのを書いてみたくなりました。あまり語ったことがない話なので,考えの整理が付くのがいつに成るか分かりませんが,そのうち書きます。
あとは,IRセンサのソフトウェア処理ネタを考え中なので,こちらも忘れた頃にまた公開されます。
ではまた
特に忙しいというわけではないですが,大会への参加を止めると,それに伴う習慣(ブログとか)も一緒に止まってしまうのだなあというのを最近身をもって実感しております。
実に一ヶ月以上が経過してしまいましたがコメントを返します。
キッカケはGcraudのブログです。
一部は既にTwitterのDMに個別で質問頂きました。
申し訳ないのですが,ブログへ残されたコメントは放置されることが多いと思うので,急ぎ(直ぐ回答が欲しい)場合はメッセージかSNSの方から直接聞いて頂けるとすぐにお返事ができます。
① ドリブラーにオススメなモーター
高回転か低回転かによっても変わると思います。値段を気にしないのであればmaxon使うとギアノイズも効率もサイズも解決して非常に良いですが,実際そうは行かないと思います。自分の知っている中で比較的ドリブラに向いていると思ったのは,タミヤのスポーツチューン370モーターです。高回転タイプであっても,進角方向に使ってやるとかなり高いパワー/サイズ比が出ると思います。逆に低回転で使う場合には,これに取り付けられるギアヘッドは専用品が出ていませんので,自分で考えて取り付ける必要があります。
OG.37 タムテックギア スポーツチューンモーター(SPT)
他には,アウトランナータイプのブラシレスモータを使う方法が良いかもしれません。最近はドローン用などの高トルクで高回転かつ小型のブラシレスモータと駆動用のESC(Electroc Speed Controller)が安価なものまで幅広く入手できます。アウトランナータイプのブラシレスモータは,KV値が低いものを選べば比較的低回転項トルクタイプのモータが手に入るので,一度調べてみると良いかもしれません。
因みにYunit5Xもブラシレスアウタロータタイプのモータとドローン用ESCを使っています。
② サイドホイールとメインホイールのクリアランス
図面を見ると4[mm]くらいでした。
歴代どれもサイドホイールの直径が10~12[mm]くらいなので,どのサイドホイールも同じくらいの床-ホイール間クリアランスを持っていると思います。たまに,このクリアランスが小さすぎる自作オムニを見ますが,大抵はサイドホイールの直径が小さすぎることが原因で,フレーム側の設計が問題になるケースは少ないような気がします。
しかし,サイドホイールを大きくしすぎると,今度はサイドホイールのスラスト負荷を受ける面が相対的に小さくなりすぎて,サイドホイールが破損しやすくなります。結構難しいです。
自作にチャレンジする人は,何度か作り直してコツを掴んで下さい。
※追記
「サイドホイールとメインホイールの隙間」が何処なのかイマイチよく分からなかったのですが,軸方向のスラスト余裕のことではないかという意見を頂きました。その場合は,正確に測定していないので大雑把ですが,0.1~0.15[mm]くらいだと思います。
雑で申し訳ないです。
③ CNCの切削条件
TADAさんのオムニのメインホイールの加工が1子あたり15~30分ということですがTADAさんの家の加工機での切削条件はどんなかんじですか?
質問者:CNC さん
記事:GP16Aマウントと新オムニホイール
あくまで参考として掲載させて頂きます。質問者:CNC さん
記事:GP16Aマウントと新オムニホイール
ただし,ホビーCNCの切削条件は,仮に加工機の種類が同じであったとしても環境に応じて変更する必要があると思います。組み立て者の技量によっても,加工機の加工性能が全く違ってくるからです。
私の設定している切削条件は,一軒家で防音箱完備状態での切削条件になります。比較的音を大きくしてもOKな条件で設定していますので,機械を露出させている場合などは騒音の問題からNGになる条件である可能性があります。
樹脂でオムニホイールを作ると,比較的ラクに作れますがオープンリーグに耐えるには厳しいです。逆を言えば,ライトウェイトリーグであれば樹脂フレームのオムニホイールでも十分仕様に耐えます。ただしグリップとサイドホイールの軸受はどうしても消耗しますので,上手く考える必要があります。
樹脂切削なら,多少高くても絶対に樹脂用エンドミルの使用を勧めます。
バリの発生量が段違いですし,切削精度も向上します。材料が溶けることもありません。切削条件も高めに設定できるので,価格分は時間でカバーしつつ十分元がとれます。
アルミ切削も同様に,アルミ専用エンドミルの使用をお勧めしますが,ノンコートの汎用エンドミルでも切削は可能です。ただし,鉄用のコーティングがされていたり,角が丸めてあるタイプの鉄鋼エンドミルは,アルミとの相性が最悪ですので使用を避けたほうが良いと思います。
詳しいことは奥が深いので,あまり触れません。
上記も経験則が多く,正確には間違っている箇所等あると思いますがご了承下さい。
④ ボールセンサの実装方法
IRセンサの足は曲げて伸ばしたりはしていません。IRセンサの遮蔽の板厚を薄くするために,IRセンサの底を基板の表面に密着させる工夫をしています。
TSSP58038のデータシートから引用してきました。
センサの足は,根本で広がって2.54[mm]まで広がるような構造をしているため,これをピッチの穴に通すと0.9[mm]程度,基板の表面から浮き上がってしまいます。これが意外と厄介で,背後からの光漏れなどを起こす原因に成るので,以下のように長穴を使うことでセンサを完全に基板に密着させてあります。
これは別の基板ですが,切削基板と同じ設計になっているのでこちらの写真で説明します。
正直なことを言うと,ここまでマニアックなことを突いてこられるとは思いませんでした。というか,はんだ付けされた写真だけ見ても絶対分からないと思います。変態過ぎます。感動しました。
⑤ 2相オムニにして変わったこと
単純にグリップが増したのと,ブレードタイプのオムニホイール特有の振動が減りました。その代わり重量が2倍になりました。
あと作るのも大変でした。
感想としては,オープンリーグならデュアル位のグリップを持たせたほうが動かしやすいなと思いました。もちろん,モータのトルクに余裕が有ることが前提ですが,ライトウェイトと同じ感覚でマシンに制動を与えることが出来て,非常に気持ちが良かったです。
あとは,外側のホイールが全部砕けたとしても内部のホイールでかろうじて移動ができるので,バックアップの意味でも2相オムニホイールは強いなと思いました。
⑥ ボールセンサの回路と基板加工
ボールセンサーの回路にはどのような基板を使っていますか? また、基板の加工はどのようにしていますか?
質問者:りょーた さん
記事:RoboCupJunior Hefei International 2015 出場ロボット
ボールセンサはTSSP58038パルスセンサの出力(5V Pull-up)をSTM32F401(メインマイコン デジタル入力は5Vトレラント)に直接接続し,デジタル入力モードで読み込んでいます。STM32の割り込み入力とタイマー機能を使って,16個のセンサ全てをバックグラウンドで読み取ってパルス長を読み込んでいます。
質問者:りょーた さん
記事:RoboCupJunior Hefei International 2015 出場ロボット
確かKpくんがここら辺を全部実装してくれていたので,僕はあまり詳しいことを説明できません。
今になってもKpくんのプログラム能力の足元にも及ばないので,ここいらの技術内容をブログを書けないのは,未だに僕のソフトウェア的な技量が追いついていないからです。すみません。
IRセンサの技術はソフトウェア的なリソースが大きいです。
回路は本当にデジタルピン同士繋げて読んでるだけです。ひたすらソフトと計算が重要になってます。
基板加工は当時はCNC切削ですが,今は海外のPCBメーカーさんに外注しています。
⑦ MDに供給する電流と電圧
MDに突っ込む電流は、バッテリーから直接突っ込んでますか?
それとも降圧回路を通して突っ込んでますか?
降圧回路を通しているのでしたら、その回路の仕様を教えてください。
質問者:しめじ さん
記事:RoboCupJunior Hefei International 2015 出場ロボット
モータードライバへはバッテリの電圧を直接供給です。質問者:しめじ さん
記事:RoboCupJunior Hefei International 2015 出場ロボット
降圧する必要は無いと思いますが,バッテリの電圧低下によってモータのスピードが変化するのを嫌う場合はあると思います。私はバッテリ電圧を抵抗分圧してマイコンのADCで読み込み,バッテリの電圧に応じてモータスピードを変化させて,バッテリ電圧が低下してもモータの挙動が変わらないような制御をしています。モータにエンコーダ等搭載されている場合は,この制御も必要ないと思います。
電流の議論をするのであれば,バッテリからモータへは可能な限り抵抗の低い導線を使って配線を引き,可能な限りオン抵抗の小さなモータドライバでモータを駆動するようにしています。
このロボットに搭載されているRE16は端子間抵抗が約5[Ω]と非常に小さいため,導線の抵抗成分なども,蓄積していく事でそこそこの電力影響を与えるようになってきます。
要するに,あんまり細い電線でモーターの電源周りを配線しちゃダメだよって事です。
ライトウェイトだと,重量削るためにケーブルを細くしがちですが,あまりやりすぎるとロスが大きくなって,かえってロボットの動きが鈍ります。
⑧ Hefei機のモータードライバ
maxon motor のモータードライバーには、何を使用していらっしゃいますか?
質問者:ドリブラー信者 さん
記事:RoboCupJunior Hefei International 2015 出場ロボット
STMicroのVNH5019を使っていました。質問者:ドリブラー信者 さん
記事:RoboCupJunior Hefei International 2015 出場ロボット
が,正直言ってmaxonのようなコアレスモータにVNH5019を使うのはお勧めできません。
ICの構造上,VNHシリーズはLAP(Locked Anti-phase)駆動ができないため,必然的に回転数制動が非常に雑になります。このロボットも,加速特性は電流振り切って雑に回して誤魔化していますが,減速の制動は全く効きません。
計算でロボットを動かそうとすると,計算通りにモータが回ることが前提になるので,それができないドライバを選ばないほうが良いでしょう。
ここらへんの詳細は,世界一位の回路屋の一人(INPUTの回路担当さん)が非常に出来の良い記事を書いて下さっているので,以下の記事を画面に穴が開くまで凝視し続けることを勧めます。
因みに私の今のロボットの構成はDRV8701を使ったFull-Nch FETタイプのモータドライバ(Pololu G2 Motor Driver)です。LAP駆動できます。ガチで電流制御するならたぶん,あんばらさんの使っているDRV8432の方が高い周波数で駆動できるので制御の幅が効くと思います。私も試してみたいです。
⑨ ソレノイドキッカーのコンデンサ容量
キッカーのコンデンサー:ソレノイドキッカー③について
1000uFと4700uFでは、どんな違いがありましたか?
また1000uFを並列にせずに1つで使用することは可能だと思いますか?
質問者: kosuke さん
記事:昇圧キッカーモジュール
既にお答えしているので,その内容を掲載します。1000uFと4700uFでは、どんな違いがありましたか?
また1000uFを並列にせずに1つで使用することは可能だと思いますか?
質問者: kosuke さん
記事:昇圧キッカーモジュール
容量が大きくなると,放電可能な時間が長くなります。
完全に打ち切る前にコンデンサの電圧が下がってしまうような場合(=容量不足)の場合には,容量を追加する事でキック力が上がります。それ以外の場合では容量を上げてもキック力は上がりません。
どれくらいの放電時間が必要であるかは,ロボットによって変わってきます。
例えば,キッカーの反作用を受け止めるためのフレームの強度や重さなどが条件となります。作用反作用の関係は重量比で決まるので,重たいマシンの方が有利になります。つまりライトウェイトとオープンでは違う結果が出ますし,オープンのロボットの方が必要なキック力は小さくなります。
私のマシンの考え方は
結論としては
- ライトウェイトでもアルミを使ってなるべく強固にソレノイドを固定
- →反作用が確実にロボットの「重たい部分」に伝わるようにする
- →キッカーに要求されるパワーを減らす=昇圧回路のサイズ・重量を減らす
- →全体で見ると軽量化ができる
結論としては
- 容量を上げると放電可能な時間が代わる。
- 放電時間が伸びてもキック力が上がるわけではない,いくつか条件がある。
① シリコンワッシャタイプオムニの耐久試験
(オムニホイールの)耐久試験などは行ったのでしょうか?
ロボカップ用となると必要強度は十分だと思いますが、、、
(ここでの強度はサイドホイールのすべりが急激に落ちる点という設定で)
質問者:空白 さん
記事:GP16Aマウントと新オムニホイール
私のオムニホイールはあくまでロボット競技用として開発したので,正式な耐久試験などは行っていません。質問者:空白 さん
記事:GP16Aマウントと新オムニホイール
製品開発でこういうものを開発する場合は,治具に取り付けた上で床材を貼った無限回転ローラーなどを走らせて耐久試験を行うようです。
サイドホイールは,シリコンワッシャーをアルミ板で挟む構造をしています。
これの壊れ方としては,
- シリコンワッシャーが内部で千切れて外れる
- 千切れて中に埋もれる
- アルミが曲がる(回らなくなるなどの随従トラブル有)
このうち1.と3.は実際に発生していて,試合中に相手のフレームと衝突したりして,過度に負荷がかかった場合にのみ発生しています。通常のロボットの移動中に壊れることはありません。
最終的にこの耐久性能を満たすようになったのは,完全に経験則と勘だけで,トライ・アンド・エラーを繰り返して到着した経緯があります。過去10種類を超えるオムニホイールを製作した集大成です。
このような方法は,コンテストのロボットの開発であれば許されても,製品開発の方法としてはナシだと思いますから,今後はこういった見定めを行うための勉強もしなければいけないとは思っています。
おわりに
遅くなりすみませんでした。本当は産技祭のこととかについても書きたいです。久しぶりにGcraudの先輩と会って色々話をして,一度「RCJ振り返り」みたいなのを書いてみたくなりました。あまり語ったことがない話なので,考えの整理が付くのがいつに成るか分かりませんが,そのうち書きます。
あとは,IRセンサのソフトウェア処理ネタを考え中なので,こちらも忘れた頃にまた公開されます。
ではまた
コメント
コメント一覧 (2)
以下のサイトを参考にしました。
http://robokosaku.blog115.fc2.com/blog-entry-1159.html
基本的にはホビー用CNCであれば、一番弱いところから徐々に条件を上げていく作業になると思います。あとは時間と精度と刃物寿命、あとは熱暴走や音を気にする場合などは加工音も気にしつつ条件を決めていきます。